復活した周防大島の塩づくり
瀬戸内海に浮かぶ周防大島で龍神乃鹽(しお)は作られます。海水を汲み上げている立岩ヶ浜は、
小魚や海藻が生息する豊かな海域で、日本のハワイと言われるほどの美しく清らかな海が特徴です。
そして立岩ヶ浜のすぐ近くには、日本一のアワサンゴの生息地もある海域なのです。
また、周防灘と伊予灘の交わる海域に位置し、豊後水道から流れ入る黒潮と合流する場所で、
背後に有する豊かな山々から流れ出す山水との融合によってミネラルが豊富な海水が生まれています。
周防大島では、古来より塩づくりが盛んに行われており、奈良時代には平城京で人気を博したとも言われているほど有名な塩を誇っていましたが、1971年、全国的な塩田整理のため、塩づくりの歴史が途絶えることとなりました。
それから半世紀が経ち、島の諸問題を憂う有志が集い、周防大島の塩づくりを復活させるプロジェクトが発足いたしました。
世界一まろやかな塩味(えんみ)を目指す
龍神乃里の代表であり、料理人である、村上さんが、
「素材の味を引き立て、その素材の味の余韻を楽しめる塩、世界一まろやかな塩」を目指し、
製塩に携わっていること、この妥協のないこだわりに龍神乃鹽のすごさがあります。
ミネラル分を多く含んだ海水を取水し、雑味となるカルシウム分を徹底して取り除く独自の釜焚き製法を用い、更に塩を乾燥させる工程では、ミネラル分を含むニガリ成分の調整を行います。
龍神乃鹽工房では、「塩を育てる」と言います。親が子供を育てると同様、塩の状態を把握しながら、手間暇を惜しまず妥協を許さずこだわりにこだわって愛情を持って塩を育て上げていきます。
これがまろやかな味わい深く美味しい塩が誕生する所以なのです。
てみてプロジェクトとの出会い
龍神乃鹽の代表 村上さんと、塩職人の松田さんとの出会いは、私、西堀耕太郎が総合プロデューサーを務めた、「てみてプロジェクト」でした。
「てみてプロジェクト」とは、広島県と山口県の誇るべき「地域産品」を多くの方に知って頂くため、発足したプロジェクトです。お二人は、周防大島が直面する、少子高齢化の厳しい現状を
危惧されており、龍神乃鹽の収益においては、教育環境の整備や、進学支援など子どもたちの輝かしい未来のために活用されたいという想いから参加されました。
その想いを叶えるため、デザイナーやアドバイザーと協力し、「凪塩(なぎしお)」を開発し、
より多くの方に塩を届けられるようプロデュースさせて頂きました。
「ここまで差が出るものか。」と初めて龍神乃鹽を食した際は驚きと同時に深いうまみを感じたのを
鮮明に覚えています。村上さんたちは、正に「塩の味をデザイン」されているのだと思います。
皆様にも是非、この素晴らしく美味な塩を味わって頂きたいと思います。