貝殻を織り込んだ丹後ちりめん
民谷螺鈿さんは、京都府北部の丹後地方で、主に和装の帯に使われる引き箔という技法を使った
螺鈿織(らでんおり)と呼ばれる特殊な織物を織られています。
丹後地方は、およそ300年前から続く 「丹後ちりめん」と呼ばれる和装用の絹生地の産地で、
今でも和装用の絹織物の70%以上が丹後地方で織られているそうです。
その絹織物の産地の中でも、民谷螺鈿さんは特別に難易度の高い優れた技術で希少な織物を
織られており、何と「貝殻」を織り込み、海の輝きを布に織り上げています。
高度な伝統の織技法「引き箔」により、一本一本手作業で織り込まれた貝殻は、生地の中から海の光を放ちます。その比類なき美しさは、皇室の方からもご愛用されているそうです。
先代が数年の時間をかけて考案された螺鈿織を継承する、民谷共路さんとの出会いは、正確には覚えていないのですが、私がパリの展示会に出展していた2011年頃だったと思います。
その素晴らしい織物作品を海外の展示会で拝見したのが最初だったかと思いますが、
その民谷さんから丹後織物の産地を紹介頂き、多くの織物職人の皆さんと知り合う事になり、
その後、丹後織物工業組合の様々な海外事業に関わる事になりました。
丹後から世界へ~世界に認められる丹後ちりめん
民谷さんは、そのオリジナリティの高い技術を活かした織物で、世界のラグジュアリーブランド等
多くのコラボレーションを成し遂げられ、TANGOブランドの国際的な知名度、認知度の向上に
多大な貢献をされた、日本の織物職人のトップランナーのお一人です。
近年は、貝殻だけでは無く、革、木、竹、樹脂など、驚くようなクリエィティブなテキスタイルを生み出し、世界中から注目されており、海外でも活躍されています。
民谷さんには、京都府主催の「TÉ.ORI」(ており)というプロジェクトにもご参加頂き、
支援させて頂きました。
引き箔の技法で、スリットされた革を絹と織り込んだ特殊な織物で出来たスカーフは、
柔らかい革織物と表現したら良いのでしょうか、唯一無二の光沢と高級感で見る者を魅了する
ファッションアイテムとなっております。
丹後織物と仏テキスタイルデザインのコラボレーションで生まれた美しいストールで、コーディネートに新たなエッセンスを加えてみてください。