和傘の使い方とお手入れ方法
「和傘って、扱いが難しそう。」そんなふうに思われるかもしれませんが、実は和傘は、昔から暮らしの中で親しまれてきた、誰にでも使えるシンプルな道具です。竹や和紙といった天然素材の特性を知り、ちょっとしたコツを押さえれば、長く大切に使い続けることができます。
はじめて手にする方の中には、「どう持てばいいの?」「定期的なメンテナンスは必要なの?」と不安に思われるかもしれません。
このページでは、そんな疑問をお持ちの方に向けて、和傘の基本的な取り扱い方と、長く使うためのお手入れのポイントをご紹介します。
和傘の開き方
傘を開くときは、傘の頭を下に向け、手元を持って軽く左右にくるくる…と回し、遠心力を使って軽く開きます。傘が少し開いたら、手元のロクロを持ち、ゆっくりやさしく開いてください。
雨傘の場合は、久しぶりに開くと、油が固まり、和紙どうしがくっついている場合があります。力まかせに開けてしまうと、骨や和紙に負担がかかってしまい、破損の原因になりますので、その場合は、少し大きめに振り、開くようにしてください。
和傘の閉じ方
閉じるときは、ハジキを押し込み、手元のロクロを持ってゆっくり下げます。ある程度閉じたところで傘の頭を上にし、外側から手でそっと包むようにすぼめてください。このときも、傘の頭が上、手元が下という基本の向きを意識してみてください。
和傘の持ち方
傘の頭を上にして、片手もしくは両手で持ってください。

頭に持ち手(真田紐)が付いている場合は、そこを持って持ち運ぶこともできます。

手元を持つと、傘が逆さまになり、傘が開いてきてしまいますので、傘の姿も美しく、傘の要部分、ろくろに水がたまらない、このような持ち方を推奨しています。
和傘の保管方法
使い終わったら、完全に開くか半開きの状態で、手元を下にして安全な場所に置き、できるだけ早めに乾かしてください。

洋傘のように逆さにして傘立てに差し込むと、和紙が傷つくほか、傘の中に湿気がこもり、カビや腐食の原因となります。また、花びらなどが付着したまま乾かすと、汚れやシミの原因になります。乾かす前に、乾いた柔らかい布で軽く、優しく拭き取るようにしてください。
乾かす際は、紐で吊したり、頭を上に立てかけたりしてください。少し開いた状態で風を通すとしっかり乾きます。
長期保管のするときは?
長期間、箱や袋に入れて保管することはおすすめしません。どうしても、長期保管が必要な場合は、月に一度ほど開いて風を通してあげるのがおすすめです。虫も大好きな和傘…。洋服用の防虫剤や乾燥剤などを一緒に入れていただくと、比較的よい状態で保管できます。また、油が固まり傘が開きにくくなることがあります。その際は、ドライヤーの温風を軽く当ててから、ゆっくりと開いてください。
雨でぐっしょり濡れてしまったら?
突然の雨などで和傘がぐっしょり濡れてしまったとき、水を振り払いたくなるかもしれませんが、ぐっとこらえてください。勢いよく振ると骨や和紙に負担がかかり、破損の原因になります。濡れた状態の和紙はとてもデリケートです。傘の頭を強く握るのも負荷がかかるため、お控えください。早く乾かしたい場合は、やわらかい布で優しく水気を拭き取り、乾燥を促すようにしてください。
和日傘を雨傘として使用できる?
日吉屋の和傘には、着物にも用いられる撥水加工が施されていますので、小雨程度であれば十分活躍してくれます。ただし、あくまで「日傘用」として制作されておりますので、雨傘としての常用はお控えください。
野点傘も雨の日に使用していい?
日吉屋の野点傘には、亜麻仁油による撥水加工が施されていますが、通り雨程度を想定したものです。雨ざらしは避けてください。濡れた際は、半開きにして頭を上にし、風通しの良い場所でしっかりと乾かしてください。また、強風下でのご使用も、転倒や破損の原因になりますのでご注意ください。
和紙の色は変わりますか?
和傘に使われている和紙は、時間の経過とともに少しずつ色合いが変化していきます。
白っぽい和紙は、やがて淡い黄色や茶色に。この自然な経年変化は「枯れる」と呼ばれ、風合いを深める味わいとして楽しまれています。赤や紫といった濃い色も、次第に渋みを帯び、落ち着いた表情に育っていきます。
修理やメンテナンスについて
和傘には、定期的なメンテナンスや油の引き直しは必要ありません。ただし、長くご使用いただく中で、修理や調整が必要になることもあります。その際は、ぜひお気軽にご相談ください。「ずっと使い続けたい」と思っていただけるよう、お手伝いさせていただきます。



















